不登校を誰かに相談するのは逆効果~こどもを縛る「ダブルバインド」
子育ての悩みを共有し、不登校の対応、親子関係、人間関係全般の問題の解決方法を探ります。
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こどもの不登校を誰かに相談すると解決が遠のく
もしこのブログが大勢の人に読まれたら、炎上するかも知れません。
しかし、ここだけはどうしても避けては通れないので、まず最初に言います。
不登校の問題を誰かに相談しても、絶対に解決しません。
どんな高名な臨床心理士も、スクールカウンセラーも、精神科医も、根本から不登校の問題を解決することは不可能です。
では誰が解決するのでしょうか?
こども自身であり、手助けできるのは親だけです。
人に相談したり、アドバイズ通りにして対処したら、
ものすごく遠回りになり、解決がどんどん遠のきます。
こういうブログを書いていて、こういうことを言うのは矛盾していると思われるかも知れませんが、このブログではすべての記事において、これを言いたいがために手を変え品を替え伝えています。
つまり、
もっとこどもの力や親自身の力を信じてほしい
ということです。

親はこどものことを誰よりもわかっているはず
たとえば、こどものことで悩んでいて、誰かに相談する心理を考えてみましょう。
その相談をしている人は、親よりもこどものことを知っていますか?
どんな考え方をして、どのような性格をしているか、どうしてこんな状況になったのか、そのカウンセラーに20分かけて状況を伝えたとします。
カウンセラーはそのこどものことをたった20分の説明で、親ほど理解できるでしょうか?
親が理解できず、対処に困っているものを、カウンセラーが理解できるでしょうか?
こどものことを誰よりも理解しているのは親のはずです。
まずここに自信をもってください。人がどう言おうと、自分のやり方が正しいと確信をもってください。
それでも思うような結果が出ないのは、ただ単に、「まだその時期が来ていない」だけのことです。
元不登校児で立派な社会人になっている人は世の中にたくさんいます。

人の言うことを鵜呑みにしない
たとえば、「不登校でも親は明るく接してください、母親自身が人生を楽しんで」などとネットに書いてあるとします。
そのネットの助言通りにして、いつも明るく、母親自身が楽しく本当に心から過ごせるものなのでしょうか?
もしすぐに明るくなれる、人生を楽しめると考えるとしたら、それは人間の心を非常に甘く見ています。
人に助言されて明るくなれる、人生が楽しめる、など、そういう助言ははっきり言って何の助けにもならず、むしろ事態を悪化させます。
よくある助言に、こどもの不幸校を心から受け入れ、「学校に行かなくてもいいよ」と声掛けして安心させてあげましょう的なアドバイズがあります。
それをそのまま鵜呑みにして、そのような声掛けをしていると、その偽りの言葉が魔力を持って、後々何十年もこどもに祟ってしまうことになります。
本心と言葉が正反対~「ダブルバインド」の影響
ダブルバインド、(クリック参照)という言葉があります。本心と言っていることが正反対の場合、それに答えを出せと強制されると、人はパニックになります。
分かりやすい例で言うと、
「学校に行かなくていいよ」と言っている親が内心で、「どうか学校に行ってほしい頼むから」などと思っているなら、親自身がすでに自分の心を裏切って言葉を発している状態になっているということになります。
いつも自分の心を欺いて、思ってもいないことを言葉にする親を見て、こどもがその親に本心を明かすでしょうか?
こどもは親の本心をすべて見抜いています。
誰よりも大切な親が苦しいのを我慢して、誰かの助言に振り回されてうそをつきながら「学校に行かなくてもいいよ」などと軽々しく言い、明るく振舞うのを見て、こどもはまず親を信頼できなくなります。
信頼できない人に心を開くことはないし、その上、「腫れ物を扱う」ように接すると、こどもは全身でぶつかっていける壁を失い、深い孤独感に陥ってしまうことになります。
こどもの不登校に限らず、日常的な親子関係に置いて、ダブルバインドは人を孤独にさせ、身動きさせなくさせ、事態を悪化させるもとになります。
ネットを見たりブログを見たりして情報を収集するのは良いのですが、誰かの言葉や誰かの行動を真似して、本心でもない言葉を日常的に発し続けると、問題が長く尾を引くようになります。
「あの時無理やりにでも学校に行かせてもらっていればここまでひどくならなかった」
と長く親を怨むことにもなりかねません
その言葉の意味は、「もっと本音のまま、ぶつかってきてほしかった」という意味です。

本心から「学校には無理に行かなくてもいい」と言える人もいる
世の中には本心から、「こどもは学校に無理に行かなくてもいい」と思っている人もいます。
そういうかたは、ある程度こどもが大人になって、不登校の子供と一緒にいろんな時間を過ごしたあと言えるセリフです。
長い時間をかけて、さまざまな葛藤を乗り越えたわけでもないのに、今まさに不登校のこどもを抱えている現役の不登校の保護者が心からそう思うことは、まずないと思います。
そういう境地に至った保護者が世の中にいらっしゃるものの、平凡な、普通の家庭にとって、こどもが今現在学校に行かない、行けないことは、不安で苦しくて、とても辛いことではないでしょうか?
その辛さから目を背け、安易に「いつも明るくしていましょう」「お母さん自身が幸せになりなさい」などという助言を安易に垂れ流している人を見ると、「そういうことは自分一人でやってください」と言いたくなります
自分は平気なふりをする、幸せなふりをする、学校は不要だ!と言い切ってブログなどで拡散するのを見ると、「自分の不安を他の人に伝染させることで自分が楽になろうとしている」と見えてしまいます。
無理に明るくする必要は無く、等身大に悩み、人とぶつかっていってもいいですし、こどもに素直に、「学校には行って欲しい。親だけでは教えきれないことをたくさん教えてもらえるから」という気持ちを素直に伝え続けることも、時には必要です。
何年も伝え続けてもなおこどもが学校を選ばないこともあるでしょうが、そのころにはまた親自身も別の考えを持つようになっているかも知れません。
まず現時点で、飾らず、他人の言葉に惑わされずこどもと接してみてください。

こどもの心を知りたければまず親が自分の本心を知ること
その家族の問題の解決方法は、ネットや書籍には書いてありません。
解決法は、親がまず自分の心を知り、本音を探り、こどもに常に自分の本心と一致した言葉をかけ、真実の言葉の上構築して初めて解決に向かうものです。。
もし「これは本心だけどとても子供には言えない」と思うことがあるなら、沈黙のままでも全然構いません。
不登校のこどもが成人してから言うことは、「親が黙って話を聞いてくれることが一番うれしかった」
ということだそうです。
この記事のタイトルに、「誰かに相談するのは逆効果」と書きました。
そもそも不登校などの問題は、他人に相談してどうにかなるものではない、とすっぱりと諦めてみましょう。
不登校に限らず、人間関係のどんな問題でも、人に相談した時点で問題がさらに大きくなるだけです。
カウンセラーにかかるのは「親の心を軽くするため」
親は真剣に、この状況を打破しようと思ってカウンセラーを訪れます。
そこでいろいろ話を聞いてもらううちに、心が軽くなったりしますので、種々のカウンセリングはそういう方向で大いに活用してもいいです。
ただ、不登校に関しては、こどもが自分で何とかしようとしていないのに、カウンセラーにかからせたり、病院にかからせたりするのは、効果ないどころか、逆効果です。
なぜなら、そもそも不登校のこどもは「この現状を変えよう」と思っていないからです。
こどもが現状を変えようと思わない限り、どんな凄腕のカウンセラーでも人の心を変えることはできません。
それは、あの人を好きになりなさい!と誰かに命令しても無駄なのと同じです
こどもはいつも親を見ています。
親の本心を見抜き、その言葉の裏にある意図を常に読み取っています。
親がこどもに対してできることは、「不登校を解決してあげる」ことではなく、「常に本心と言葉を一致させ、本音で生き、言葉に出せない場合は沈黙を守る」という姿勢そのものです。
その親の姿勢を見てこどもは初めて親を信頼して、そこからようやく未来に対して思考を巡らせるようになります。
まずはこどもの信頼を得ること、逆に、親にできることはそれだけかも知れません。

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