不登校と「ポジティブ思考」の罠
こんにちは!親塾へようこそ。ここでは、不登校についての知識を増やし、「なるほどなあ」と思ってもらえる情報を(ほぼ)毎日お送りしています。
今回は、親のせいで不登校になったのかもと思ったときに読む記事です。
こどもは一年前ぐらいから学校に行き渋るようになり、ここ三か月ぐらい完全不登校です。
兄弟同じように育て他の子は普通に学校に通っています。真ん中のこどもだけ不登校です。
確かに、兄弟でポツンと不登校になっている場合は、その子の性格でしょう。
ただ、三人のうち一番親の無意識の影響を受けてしまっている可能性はあります。
一番弱いところに問題が発現しやすいからです。
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暗い面を見ようとしない親のこどもは不登校になりやすい
いきなり結論です。
こどもが不登校になりやすい親というのは、実はかなり類型化できます。
ネット上にも、「こどもが不登校になりやすい親の〇個の特徴」という記事がよくみられますし、かなり的を得ているのではないでしょうか。
以下に、今回の「暗い面を見たくない親」(過剰にポジティブな親とも言える)の特徴を挙げてみます。
〇こどもの生活はまだ自分が管理しないといけないと思っている。
〇学校で嫌だったことをこどもが話しているのを聞くのは辛い
〇こどもがいつも笑顔でいてくれるのが一番うれしい
〇忘れ物をするとこどもが困るだろうから学校に届けてあげたりする
こういう親は、普通に世間的には、良い母親、愛情深い母親に見えます。
こどもの世話がきちんと行き届いていて、学校で起きたことをこどもが笑顔で話して、親は笑顔で聞く、という、表面上ものすごく理想的な家庭に見えます。
でも、こういう親には、兄弟が三人いたら、一人が不登校になるなどの症状が出ることがあります。
笑顔が絶えない家庭、世話が行き届いた家庭、学校が好きなこどもたち、というのはほんとに素晴らしいですが、
「常に明るいほうへ向かなければならない圧力」に耐えられなくなるこどもが出てくるのです。
普通に生きていればわかると思いますが、人生って楽しいことばかりじゃないですよね?充実した人生を送っていても、辛いこと、悲しいこと、苦しいことって定期的に起きてきますよね。
でも、こどものつらそうな顔は見たくない・・・こどもにはいつも笑顔でいて欲しいです。
こどもは大人より感受性が豊かだから、辛いことも大人より深く感じているはずです。見たくない、見ない、というのは可能ですが、「辛さを感じるな」というのは無茶ですよ。
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「いつも笑顔で」というポジティブ思考の罠
不登校問題でもよく、
〇母親が幸せに明るく生きましょう
〇不登校でも不幸ではないし、家庭で明るく暮らすこともできる
〇不登校はかわいそう、と言うのはこどもを傷つける
などという言説が飛び交っていますが、こういう一種の「ポジティブ宗教」のここ最近の勢いは凄まじいです。
実は、こういうことを安易に言う人は、ポジティブでもなんでもありません。
現実を受け止めるのが嫌で、見たくないことを見ないようにすることを勧めているだけです。
ほんとうに単純なことなのですが、例えば、カバンの中に腐ったサンドイッチが入っているのを、見て見ぬふりをすることはできます。
でも「腐ったサンドイッチ」は存在したままです。消えて無くなったわけではありません。
そこにあるものを見ようとせず、「暗いことなんて考えるだけ損だから考えない」「明るく楽しく、未来は輝いている」と無責任に言うのは、ポジティブというより、現実逃避のススメです。
こどもが学校に通えないのは、問題のはずです。
こどもが不登校なのは、普通にかわいそうです。
学校は、人類が長い歴史をかけて手に入れた知恵を平等に分配する優れた制度です。近代以前は、知恵は特権階級だけのものでした。
近代になってようやく知恵を身に着けることができる機関が庶民に解放され、庶民は知恵をつけて社会を渡り、特権階級に対抗することができるようになりました。
その知恵を身に着けることができない不登校児は、本当にかわいそうです。
こどもが傷つくからカワイソウなどといってはいけない、などとと言うのは、ポジティブ宗教の蔓延を端的に示しています。
こちらの記事は、「学校とは何か」を解説しています。学校を否定するのは、歴史の進化を否定するものです。
こちらは、「親が一人でできる子育ての悩みの解決法」です。周囲の気配や人の心の動きに敏感なこどもは、特に効き目があります。
見たくないものを見ることこそ本物の「ポジティブ思考」
不登校のアドバイズで、いつも明るく、不登校は問題じゃない、というようなことをネットで発信をしている人をちょくちょく見かけます。
〇こどもが学校で辛かったことを打ち明けると、「大丈夫よ、明るくしてれば向こうもすぐ忘れてるよ」とあっけらかんと言う。
〇こどもにはいつも笑顔でいてほしいので、楽しい話を聞きたがるが、悩みごとなどはあまり聞きたがらない(顔や態度には出さなくても、こどもには「お母さんはこんな話聞きたがっていない」というのはすぐバレます)
〇忘れ物をしていると困るだろう、と届けるのは、「こどもが不自由な思いをするのを想像するだけで悲しい」という気持ちからです。
本来困るのはこどもであり、母親は困らないはずですが、こどもが辛い思いをするのを見たくないからです。
このように、ポジティブ思考ではなく、「見たくないものを無いものとする」教えは、周囲の人を追い詰めてしまいます。
特に、兄弟のうちで一番敏感なこどもは、学校ではいろんな悲しいことや辛いことがあるけど、見て見ぬふりをしないといけない、という圧力を感じて一生懸命見て見ぬふりをします。
母親の考え方を無意識に踏襲するのがこどもですし、敏感なこどもは通常母親が大好きです。
でも、母親は専業主婦で見て見ぬふりも可能かもしれませんが、学校ではものすごい量のドラマが日々渦巻いており、見て見ぬふりをするのは不可能です。
本物の「ポジティブ思考」とは、楽しいことも辛いこともありのまま受け止め、すべてをひっくるめて楽しもうとする姿勢のことです。見て見ぬふりをするのがポジティブ思考ではありません。
親がそこに気づき、暗い面にも勇気を持って目を向けるようになると、「見て見ぬふりをしろ」の圧力からこどもも解放され、生きづらさが減ります。
まとめ
「生きづらい」という言葉を最近よく聞くようになりました。
たぶん、ネットが普及して、いつでも丸裸にされる感じが息苦しいんだと思います。
かといって、テレビだけの時代より今のほうが生きづらいとは全然思いません。
テレビだけの時代は、キラキラした女優が華やかな恋をして、幸せそうに生きているドラマなどが繰り返し繰り返し放映されるだけで、自分本来と違うものを四六時中見せられる苦しみがありました。
ネットは、等身大の人々と触れ合うことができるし、自分の嗜好に合った場所を選ぶことができます。ネットには暗い面も十分含まれていて、テレビよりかなりバランスがいいメディアです。
嬉しいこと、楽しいことのぶんだけ、辛いこと、悲しいこともある、そういうのもひっくるめて人生だ、というごく当たり前の感覚を親が取り戻すことで、こどもの不登校があっけなく解決する場合があります。
暗い面も見ていいんだよ、感じていいんだよ、と自分自身に許してあげてください。
最初は心が痛くても、その痛みそのものが人生だ、と気づくこともあるかも知れません。
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