不登校のこどもにとっては「学校にいかないこと」が普通で正常な状態です
こんにちは!親塾へようこそ。ここでは、不登校や子育てについての知識を増やし、「なるほどなあ」と思ってもらえる情報を定期的にお送りしています。
今回は、不登校に限らず、「自分はおかしいのではないか」という疑問を持っているこどもや、我が子はおかしいのではないかと思っている親に向けての記事です。
不登校のこどもは「自分はおかしい、普通ではない」と思っている可能性が高いので、それが果たして真実かどうか検証してみたいと思います。
こどもが部屋にこもって学校に行かなくなってから、我が子になにか異常事態が起きている、と危機感を持ってしまうのは当然のような気がします。
ところで世の中の誰が「普通でない・変だ」という判断をするのでしょうか?
世の中に良くある意見を記事にしても仕方がないので、少し違う角度から点検したいと思います。
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まずは「何が普通か」を点検する
まずは、こどもにおいて何を「普通」と思っているかを点検してください。
・元気で健康でいること
・学校に行って楽しくすること
・年代相応にたくさんのことを経験し吸収していくこと
という親にとっての「普通」の範囲があり、普通の大前提である「毎日学校に行く」という点が抜け落ちているので苦しんでいる状態かもしれません。
ただし、不登校のこどもにとっては、親が
こどもは学校に行くのが普通!
と思ってしまうと、親子共々かなり苦しいことになってしまいます。
なぜなら、今現在、こどもにとって、「学校に行かないこと」が普通になっているからです。
それを「異常」と言われると存在自体が否定されてしまいます。
ところで、障がいがあったり、病気だったり、どうしても学校に行けないこどもであっても、「普通でない」のでしょうか?
人によっては、「たとえ学校に行けなくても、今生きてここにいてくれるだけで幸せ」と思っている親もいるのでは?
ここで言いたいことは、
普通である・普通でない、は相対的なもので人によって基準が変わるものである
という単純な事実です。
不登校のこどもは自分自身で「普通では無いかも」と自信を失っていることがほとんどです。そこに親が追い打ちをかけて「あなたは異常です」と判断すると、こどもはますます「自分はおかしいんだ」と思い込んでしまうようになります。
▼不登校のこどもが一番辛いことって何?
こどもにとっては親のあなたが「異常」かも知れない
次は少し視点を変えて、こども目線になって考えてみます。
ものすごく極端な例ですが、例えば、ある重大な事件を引き起こした人の幼少期の話から。
・親の言うことを聞かなかったから、新聞紙にご飯をばらまかれそこで犬のように拾ってご飯を食べさせられた
・ピアノを弾くのを間違えたから、定規で指が腫れ上がるまで叩かれ続けた
これらは、一般的な視点から見たら、ものすごく常軌を逸した異常な行為です。
でも、当の母親は、自分の子育てや振る舞いが異常なものとは全然思っていなかった
可能性があります。
親としては当然のこと、しつけ、ちゃんとした人間にしたいと思ってやったのかもしれません。
こどもは、黙々とこれを受け入れます。受け入れるしかないからです。
ここで不公平が生じます。
親は学校やカウンセラーなどに「うちの子は異常なんです(自分はまともですが)」と訴えて回り、味方を作って回ることができますが、こどもにはそういう手段がありません。
そして、通常、
不登校な我が子は異常だ
異常を正すためにわたしは正しいことをしている
という一方的な親の主張だけが世間に受け入れられてしまい、こどもは自分の主張をする場を持つことができません。
もしかしたら、こどもはこんなことを考えているかも。
・お父さんは会社から帰ったらのんびりできるのに、なぜ僕は家に帰ってからも勉強をしないといけないのだろう?
・お父さんは家にいるときはずうっとスマホやタブレットをいじっているのに、僕が少しゲームの制限時間を過ぎたら怒られるのはなぜ?
・お母さんや弟はいつも家に居てのんびりしているのに、なぜ僕が学校に行かず家に居たら嫌な顔をされるのだろう?
こどもの目から見たら、親のふるまいこそ謎に満ちて普通ではない可能性がある、ということを少し考えてみてください。
母親は家に居てのんびりしているように見える?家族のために一生懸命家事をしているのですが・・・
飽くまでこども目線の話です。
母親が家でのんびり怠けていると言っているのではありません。ただ、「親のほうが変だ、おかしい」とこどもも思ってい可能性がある、というだけのことです。そしてこどもは、「おかしい」と思っても言って回ったり相談して回るところがないので、黙って「自分のほうがやはり変だ」と受け入れたり、自信を無くしたりする無限ループに嵌っていってしまいます。
▼不登校を語るときにどうしてもここを区別しておかないと混乱します。
「あなたは異常でわたしは正常」と決めることから問題がややこしくなる
結論として、「あなた異常」「わたし正常」と決めてしまい、そこから、「異常を正すためにあちこちに相談に行く」という姿勢だと、事態は袋小路に進んでいってしまいます。
不登校は別に異常なことではありません。
よくある話ですし、思春期に心も体も揺らいで外との接触を断ちたいことは誰にでもあることです。
大人になってでさえ、あーもうここから逃げ出したいワと思ってしまうことがあるのです。思春期ならなおさらです。
自分の考えは正しくて不登校のこどもは間違っている、という前提から入ると、こどもは「何を言ってもわかってもらえないし、理解もしてもらえない」とますます殻に閉じこもってしまいます。
だからこそ、「うちのこども不登校なんですどうしたらいいのでしょう?」といろんな人に相談して回る行為は、却って問題をこじれさせてしまうのです。
まず、「不登校」という事態を完全に受け止めて、そこから何が問題なのかを整理してみましょう。
・こどもが一日中家に居てゲームをしている
・勉強が遅れてしまう
・社会との接点が断たれてしまう
・友達と関係が途切れてします
これらの問題は実は「学校へ行かない」こととはあまり関連がありません。
学校に行っていたらゲームをする時間が減るし、勉強も遅れずに済むし、社会との接点も持てるんではないですか?
そういう考えだと、「何が何でも学校に復学させないと問題は解決しない」という方向へ向いて行ってしまい、親もこどもも苦しくなるだけです。
・一日中家にいる→図書館や習い事など、定期的に外に出る習慣をつける
・勉強が遅れる→図書館に通ったり家庭教師をつけたりする
・行政や個人でしている不登校児受け入れの場所などを探して接点を持たせるようにしてみる
・友達が途切れる→親戚のこどもや小学生時代の友達に遊びにきてもらうように促す
など、柔軟に一つずつ解決していくことも可能です。無理にいっぺんに解決しなくてもいいですし。
どうしても「学校」から離れられませんでしたが、実はできることはたくさんありますね。問題を細分化すれば一つ一つ解決するのも可能だ、と思えるようになりました。
小さな問題が解決するたび少しずつ状況が変化していき、また学校へ行く意欲が湧いてくるかも知れません。そうなったら今度は「学校へ行けたら行く」という選択肢を増やしてみるのもいいですね。
▼不登校児がお勉強をするには
まとめ
・まずは、「学校に行かないのはおかしい・変だ」と思っている親の決めつけを点検してみましょう。「普通だ」と思っていることがこどもの現状と合わない場合、親子共々苦しくなるだけです。
・こどもから見たら、実は親のほうが普通では無いかも知れません。母親と弟は家にのんびりいるのに、なぜ自分だけは学校に行かないと異常だと思われるの?と思っている可能性だってあります。
・不登校児にとっては学校に行かない状態が「普通」です。そこをまず完全に受け入れて、問題をできるだけ小さく細かくちぎって一つ一つ解決法を考えてみましょう。実は学校に行かなくても解決できることはたくさんあります。
小さい問題からつぶしていくことを経験すれば、大きな壁に見えたものも実はそれほど困難でないように思われてくるようになります。
現状をまず受け止めてから一歩一歩進むこと、そのために親だけでできることはたくさんあります。
皆さんに少しでもお役に立つ情報が提供できるよう定期的に更新していきます。
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